放送朝礼講話

2階センターコリドーには、写真のように、イースターをお祝いするイースターエッグに生徒の皆さんがデコレーションをしたものが飾っています!

①2025年4月24日(木) 放送朝礼講話  教頭 渡邊

皆さん、おはようございます。中高教頭の渡邊です。

中高そろっての入学式から約2週間、今日これから、中学1年生が新入生合宿へと出発します。お天気が少し心配ではありますが、怪我無く充実した二日間を過ごしてほしいと思います。

さて、全学年で新年度の授業が始まって約10日経ちました。新しい教科書は、そろそろ皆さんの手になじみましたか?特に小学校から中学校へ、中学校から高校へと、より上位の学校へ進んだばかりの新入生は、これまでの学習内容とのギャップの大きさに戸惑っている時期かもしれません。思い起こせば、私も仙台白百合学園高校に入学したばかりの頃、このギャップに驚いた一人です。高Ⅰの英語の教科書を初めて開いたときの衝撃は、今でも忘れません。見開き2ページ、まったく日本語が書かれてなかったんです。欄外の語句の説明まで英語で書かれていて、心から「入るべき学校を間違えた」と思いました。授業に付いていくために、毎日遅くまで必死に予習と復習に励む高Ⅰの春でした。

けれどもいつのまにか、予習や復習にそれほど熱量を注がなくても、授業で困ることはなくなっていきました。これは私の学力が上がったためではなく、手の抜き方を覚えたためだと思っています。効率よく学ぶことは大切な技術ですが、慣れない環境に緊張しながら、がむしゃらに頑張ることで得られるものもあります。将来を見据え、新年度の学習が始まったばかりの今だからこそ、皆さんの若いエネルギーを毎日の勉強に真剣に注いでみてください。

来週にはゴールデンウィークが始まります。まずはそこを一つの到達点として、一日一日を大切に過ごしていきましょう。お話を終わります。

②2025年4月28日(月) 放送朝礼講話  宗教科 渡辺

おはようございます。新年度がはじまってはやいもので3週間が経過し、いよいよ明日からGWに突入します。部活に勉強にと慌ただしい日々を過ごしているかと思いますが、せめてこのGWは一日だけでも皆さんがゆっくり休めることを願っています。さて、個人的なことですが、昨晩、庄子先生と一緒にプロレスを観に行きました。会場につくとすでにファンの熱気があふれており、試合では屈強なレスラー同士ののぶつかりあい、技の掛け合いに会場の興奮は最高潮に達していました。プロレスでは、とくに危険な技の掛け合いには会場全体がハラハラドキドキするのですが、一流と呼ばれるレスラーは、どんな技にも器用に“受け身”を取ってダメージを軽減させ勝負を魅せ、盛り上げることができます。

「受け身」といえば、この間、心に響くある作品に出会いました。それは、相田みつをさんが書いた「受け身」といわれる詩です。相田みつをさんといえば「だって人間だもので」有名ですよね。ちなみに、この詩には次のようなことが書かれています。「柔道の基本は受け身、受け身とは転ぶ練習、負ける練習、人の前でぶざまに恥をさらす稽古、受け身が身につけば達人、負けることの尊さがわかるから」、これは、きれいに物事を進められる人、人から褒められること、成功をおさめ讃えられる人よりも、転ぶこと、失敗することによって人間の魅力が増すのだということを伝えてくれるものです。この詩を読んで学園の守護聖人である聖パウロの生き方を思い出しました。パウロは、もともとはユダヤ教のエリートとして多くの人から尊敬を集め、当時、異端であったキリスト教徒を次から次へと捉え迫害していましたが、ある時に復活したキリストに出会うことにより、今までの考え方や自らの信仰を投げ捨ててまでキリスト教に改宗した人物です。聖書読むかぎり、改宗後のパウロは失敗の連続でした。キリスト教を理解してもらうためにメッセージを発するも、人々から理解を得られず大恥をかいたり、人々に寄り添うとするものの言葉や配慮が足りず、相手を傷つけ反感をかってしまったり、コミュニケーションのすれ違いから牢獄に入れられムチ打たれてしまうことが度々ありました。ただ、パウロは、物事が自分の思い通りにいかず、失敗したとしてもめげずに立ち上がり、自身の歩みをすすめていきました。なによりも自らの失敗を通して謙虚さや、今まで味わうことがなかった他者の痛み、悲しみを理解することができ、パウロの人間性が深まっていったとも言えます。

このことから、皆さんにもこの一年、様々なことに取り組み、“失敗”、“転ぶ”ことから多くのことを学んでもらいたいなと思っています。失敗は恥ずかしいことではないです、一回や2回、何回失敗しても、人前で恥をかいていも何も問題ないです。個人的には転んだ分、恥をかいた分だけ、ほかの人の痛みを理解することができ大きく成長できると思います。白百合生として、大切なのは受け身をとりながら、人の痛み、悲しみに共感、理解できる人になってもらえることを願っています。これで朝の話を終わります。

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