【教員コラム〜教員から生徒へ〜】

本校では、毎日放送朝礼が行われます。その中で、月曜日は校長先生から、木曜日は様々な先生方から生徒へのお話がされます。宗教的な内容やその時期にあったお話、生徒へ伝えたいメッセージなど様々です。

【朝礼講話: 2024年5月30日(木)担当:通信制課程教頭 河西妙子先生

おはようございます。今年度よりエンカレッジコースの教頭となりました河西妙子です。
エンカレッジコースは2014年に設立され、今年で10周年を迎えました。
今年度は、入学式、学園記念日、学園祭、修養会、クリスマス会と多くの行事で中学校高等学校全日制の皆様とご一緒する機会があり、嬉しく感じています。

私自身はエンカレッジができて3年目の年からエンカレッジと関わっています。
そんな私には、エンカレッジの教員となって初めて真剣に向き合った問いがあります。
それは「何のために学校に行くのか」という問いです。

子供時代の私はそれこそ健康だけが取り柄で、中高時代は皆勤賞をもらうほどでしたので、私自身かつては、学校に行かないという選択肢があることをほとんど考えたことがありませんでした。
登校することにあまり疑問を感じていなかった私にとって、エンカレッジとの出会いは考え方を大きく変えるきっかけとなりました。
様々な理由で毎日の登校が難しい生徒たち。
それでも多くの生徒が自主的に登校し、
少ない登校日数一日一日を大切にして真面目に向き合っています。
その様子に触れた時に、あらためて学校に通う意味は何だろう?という大きな問いを突きつけられた気がしました。
数少ない学校での学びの機会だからこそ、そこでしかできないことは何か、を考えなければならないと感じたのです。

皆さんは何を目的に学校に来ていますか?
部活動や行事、仲間との楽しいひとときを楽しみに学校に来ている人も多いと思いますが、今回は学習の点から考えてみたいと思います。
今の世の中は学ぶのに便利な教材が数多くあります。AIを使ってどこでも自分のペースで学習できるようになっています。ネットの世界を除けば、学校の時間だけでは補えない膨大な知識が集約されており、知的好奇心を満たしてくれます。自分の興味関心に添って貪欲に、また自分の理解の速度に合わせて学ぶことができるのであれば、効率よく学べるように感じます。それだけではどうしてもわからない時に、学校や塾で先生に教えて貰えば十分では?とも思ってしまいます。
では学校は必要ないのでしょうか?
学校での学びの醍醐味は、みんなで一緒に学べることです。
自分1人では理解が難しいことを、一緒に学ぶことで周りに教えてもらえるかもしれません。
1人で考えていても思いつかないことでも、仲間と言葉を交わしているうちによい案が浮かぶこともあります。
みんなで話し合うことで、様々な視点から物事を見ることができるようになり、自分の凝り固まった考え方から抜け出すことができるでしょう。

学校で一緒に学ぶことで、考え方や物事の見方が広がり、学んだ知識がより豊かなものになるのだと思います。
ぜひ皆さんも今一度学校だからこそできる学びを意識し、充実した学校生活を送ってください。


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