【教員コラム〜教員から生徒へ〜】

本校では、毎日放送朝礼が行われます。その中で、月曜日は校長先生から、木曜日は様々な先生方から生徒へのお話がされます。宗教的な内容やその時期にあったお話、生徒へ伝えたいメッセージなど様々です。

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【朝礼講話: 2024年10月31日(木)担当:図書館星先生

おはようございます。

10月27日から11月9日までは恒例の読書週間です。

今年の多読クラスは中学校が1位 1年2組、2位 1年1組、3位 3年2組、

高校生は1位 Ⅱ年1組、2位 エンカレッジコース 3位Ⅰ年2組です。

おめでとうございます。

今年の読書週間の標語は、「この一行に逢いにきた」です。

みなさんは今まで読んだ本の中で、ずっと心に残っている一行、言葉がありますか?

私が心に残っている言葉の一つは「置かれた場所で咲きなさい」です。ノートルダム清心学園の理事長だったシスター、渡辺和子さんの言葉で、そのまま題名になっている本が図書館にもあります。

渡辺和子さんは36歳の時に、突然ノートルダム清心女子大学の三代目の学長に任命されました。東京で生まれ育った渡辺和子さんは全く未知の土地である岡山で、学長という思いもかけない役職で、未経験なことの連続で、「誰もあいさつしてくれない」「こんなに苦労しているのにねぎらってくれない」「誰もわかってくれない」と不満いっぱいだったそうです。そんな時に一人の宣教師が短い詩を手渡してくれました。そこには

「置かれたところで咲きなさい。

咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです。置かれたところこそが今のあなたの居場所なのです」と書かれていました。

渡辺和子さんは「そうだ。置かれた場所に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと決心することができました。」と思い、それからは自分からあいさつし、ほほえみかけ、お礼をいう人になったそうです。そうしたら回りの人も明るくなり、優しくなってくれたそうです。

わたしたちは生活しているうえで、「こんなはずじゃなかった」と思うことが次から次へと出てきます。そんな時にも、その状況の中で、「置かれた場所で咲く」努力をしたいものです。

ところで、先月、読書に関する衝撃的なニュースが有りました。

文化庁が行った国語調査によると1か月に1冊も本を読まない人が初めて全体の6割超えたそうです。同じ日の読売新聞の記事にこんなことが書いてありました。

作家の北村薫さんの言葉を引用したもので、

「小説が書かれそして読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います。」いい小説を読むと、他の人生を追体験した気になり、読後の余韻がしばらく残る。それが人生の指針となったと。(読売新聞デスク日誌「幸せな読書」から)

まさに夢中になれる1冊に出合えて、感銘を受ける1行に出合えたら、それは一生の宝物で、人生の指針となるでしょう。

図書館ではいま、文豪の写真から名前を当てる「わたしはだれでしょう?」クイズを展示しています。全問正解者には本屋さんからいただいた粗品があります。ぜひ参加してみて下さい。また今朝配布した「図書委員からのおすすめの本」と、図書館協議会からいただいた「若い人にすすめる本」のリーフレットをみて、ぜひ読書の秋をしてみて下さい。これでお話を終わります。

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