【教員コラム〜教員から生徒へ〜】

本校では、毎日放送朝礼が行われます。その中で、月曜日は校長先生から、木曜日は様々な先生方から生徒へのお話がされます。宗教的な内容やその時期にあったお話、生徒へ伝えたいメッセージなど様々です。

【朝礼講話: 2025年1月23日(木)担当:半澤先生

おはようございます。新しい年を迎え3週間余りが経過しました。先週発行された『図書館だより』にも記しましたが、カトリック教会では25年に一度、100年に一度を特別な年とし、それぞれ「聖年」、「大聖年」と定めています。今年、「聖年」にあたる2025年のスタートを皆さんはどのように始められたでしょうか。聖書から教えられることは、新年を迎えるとは、ただ単に時間が過ぎて行って、一年が終わり、また新しい一年が来るというのではなく、そこには、神様の救いによって新しくされ、それぞれの人生における疑いのない事実があり、私たちの新しい年も神様から与えられた恵みによって、始められているということです。 

さて、明後日1月25日は「聖パウロの回心の祝日」です。今年は土曜日と重なったため、学校では昨日22日の放課後にミサが捧げられました。学園の保護聖人・使徒パウロの本当の名前はサウロといい、イスラエル人として生まれました。しかし、一家は現在のトルコ南東のタルススという町に住み、当時、非常に貴重であったローマ市民権を生まれながらにして持っていました。彼は若い頃にエルサレムに行き、ユダヤ教のファリサイ派で善良なガマリエルという有名な律法学者の弟子になりました。パウロ自身が言うように、彼は先祖からの伝統を守ることに人一倍熱心で、ユダヤ教の律法第一主義に徹しようとしていました。イエス・キリストの死後6、7年頃、故郷タルススから再びエルサレムに行き、ユダヤ教の異端と思われていたキリスト教の発展を見て、非常に憤ります。そこで先ず、キリスト教最初の殉教者・ステファノの処刑に加わります。パウロは、次々とエルサレムのキリスト教会を攻撃しました。家から家へと押し入り、男性も女性も引きずり出して、牢に送ります。ステファノもその一人で、ステファノは自分を殺そうとする人々のために祈りながら死んで行きました。その殉教の血によって支えられた祈りが無力なはずはなく、ステファノの処刑に加担したパウロの回心は、その一つの結果といえるでしょう。シリアのダマスカスにも信徒が多くなったと聞いたパウロは、大祭司から大義名分を与えられ、キリスト教徒を逮捕するためにダマスカスに行きました。ダマスカスに向う途中、どのようにパウロが回心したかは、新約聖書の使徒言行録に詳しい記述があります。イエス・キリストの願いを、より完全に果たすということが、回心したパウロの唯一の望みになりました。

人間誰しも一生のうちに、何度も回心するように努力することが求められます。日常生活の行いを神様の望みに一致させるための模範は、このパウロの回心といえます。一人ひとりが自己反省をしながら、パウロのように回心することができるよう祈りましょう。お話を終わります。

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